2025.05.22
なる前に知っておこう!意外と知らない性病の種類
なるまえにしっておこう!いがいとしらないせいびょうのしゅるい
性病(性感染症)は、主に性的接触によって感染する病気の総称です。性行為だけでなく、オーラルセックスやキス、体液の接触などでも感染することがあります。
多くの性病は自覚症状が少なく、知らないうちに感染を広げてしまう可能性があるため、正しい知識と予防が重要です。 性病(性感染症)には、いくつかの種類があり、それぞれ症状や治療法が異なるため、代表的な性病の種類とその特徴について、ある程度認識しておくようにしましょう。
主な性病の種類と特徴
1. クラミジア感染症
・原因菌:クラミジア・トラコマチス
・潜伏期間:1〜3週間程度
・症状:多くは無症状。女性ではおりものの増加や不正出血、下腹部痛など。
・注意点:放置すると不妊症の原因になることがあります。
2. 淋病(淋菌感染症)
・原因菌:淋菌
・潜伏期間:2〜7日程度
・症状:排尿時の痛みや膿状のおりもの。喉に感染すると咽頭痛を伴うことも。
・注意点:抗生物質で治療可能ですが、耐性菌の増加が問題となっています。
3. 梅毒
・原因菌:梅毒トレポネーマ
・潜伏期間:10日〜3か月程度(平均3週間)
・症状:初期は痛みのないしこりや潰瘍。進行すると全身に発疹が出ることも。
・注意点:無症状の期間があり、気づかないうちに進行することがあります。
4. 性器ヘルペス
・原因ウイルス:単純ヘルペスウイルス(HSV)
・潜伏期間:2〜10日程度
・症状:性器やその周辺に水ぶくれや潰瘍。再発を繰り返すことがあります。
・注意点:完治は難しく、症状のコントロールが中心となります。
5. トリコモナス症
・原因原虫:トリコモナス・ワジナリス
・潜伏期間:5〜28日程度
・症状:泡状で悪臭のあるおりもの、外陰部のかゆみや痛み。
・注意点:男性は無症状のことが多く、女性に感染させる可能性があります。
6. マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
・原因菌:マイコプラズマ属、ウレアプラズマ属
・潜伏期間:1〜3週間程度
・症状:排尿時の痛みやかゆみ、おりものの異常など。
・注意点:検査での発見が難しく、他の性病と併発することがあります。
7. 尖圭コンジローマ
・原因ウイルス:ヒトパピローマウイルス(HPV)
・潜伏期間:3週間〜8か月(平均は2〜3か月)
・症状:性器や肛門周辺にイボ状の突起。
・注意点:HPVワクチンで予防可能なタイプもあります。
8. カンジダ症
・原因菌:カンジダ属の真菌
・潜伏期間:感染してもすぐに発症せず、体調や免疫状態によって発症
・症状:外陰部のかゆみ、白いカッテージチーズ状のおりもの。
・注意点:免疫力の低下や抗生物質の使用で発症しやすくなります。
9. HIV感染症(エイズ)
・原因ウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
・潜伏期間:数週間で初期症状が出現し、その後数年〜10年以上の無症状期間が続く
・症状:初期は風邪のような症状。進行すると免疫力が低下し、さまざまな感染症や腫瘍を引き起こします。
・注意点:早期発見と治療で、健康な生活を維持することが可能です。
10. B型・C型肝炎
・原因ウイルス:B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス
・潜伏期間:
B型:1〜6か月
C型:2週間〜6か月
・症状:倦怠感、黄疸、肝機能の異常など。
・注意点:血液や体液を介して感染し、慢性化すると肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
性病によるおりものの変化と特徴
クラミジア感染症
・色:やや黄色っぽい
・におい:あまり強くないが、いつもと違うと感じることも
・特徴:量が増える、不正出血を伴うことも
淋病
・色:黄緑〜黄色
・におい:強めのにおいを感じることがある
・特徴:膿のような粘り気のあるおりものになることも
トリコモナス症
・色:黄緑色
・におい:悪臭(腐敗臭のようなにおい)がすることが多い
・特徴:泡立ったような見た目のおりもの、外陰部のかゆみや痛みを伴う
カンジダ症
・色:白色
・におい:強いにおいはあまりない(ただしムレる感じあり)
・特徴:カッテージチーズのようなポロポロした質感、強いかゆみを伴う
マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
・色:透明〜白っぽい
・におい:やや生臭いことも
・特徴:量が増えたり、排尿時の違和感を感じることも
こんな変化があれば注意
・普段よりにおいが強い(腐敗臭・魚のようなにおい)
・色が黄緑〜緑っぽい
・泡状・チーズ状のおりものが出る
・かゆみ・痛み・不正出血を伴う
これらは性感染症のサインである可能性があるため、早めの検査・受診がおすすめです。
最も感染者が多い性病は?
最も感染者が多いのは「クラミジア感染症」です。
特に10代後半〜20代の女性に多く、気づかないうちに感染しているケースも少なくありません。
年間どのくらいの人が感染しているの?
日本では、毎年およそ2〜3万人がクラミジア感染と診断されています(※報告数)。
ただし、症状が出にくいため、実際にはこの数倍の感染者がいると考えられています。
感染者が多い理由は?
・症状が出にくい(女性は約8割が無症状)
・気づかないまま他の人にうつしてしまう
・検査を受けるきっかけが少ない
放置するとどうなる?
クラミジアは放っておくと、不妊症や子宮外妊娠のリスクが高まることも。
少しでも不安がある場合は、早めに検査を受けることが大切です。
女性が特に注意すべき性病
女性は性器の構造上、性病に感染しやすく、症状が出にくいことが多いため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。特にクラミジアや淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症は、不妊症や子宮外妊娠の原因となることがあるため、注意が必要です。
喉に感染する性病
オーラルセックスにより、喉に感染する性病もあります。咽頭クラミジアや咽頭淋病は、喉の痛みや腫れを引き起こすことがありますが、無症状のことも多く、知らないうちに感染を広げてしまう可能性があります。
性病は同時に何種類も感染する可能性がある?
性感染症は一度の性的接触で、2種類以上の病原体に感染することがあります。たとえば、以下のようなケースが報告されています
・クラミジアと淋病
・クラミジアとマイコプラズマ
・トリコモナスとカンジダ
・梅毒とHIV
これらは、同じ感染経路(性行為やオーラルセックスなど)をたどるため、一度の接触で複数の病原体が体内に侵入する可能性があるのです。
重複感染のリスクと注意点
・症状が重くなることがある
たとえば、クラミジアと淋病を同時に発症すると、症状が強く出たり、治療が長引くことがあります。
・片方だけ治療しても、もう一方が残ることがある
一方の感染症だけが治療され、もう一方が見逃されると、感染が長期化したり再発の原因になります。
・ HIVなどの感染リスクが高まる
炎症を起こす性病にかかっていると、HIVなどのウイルスが体内に入りやすくなることも報告されています。
予防と注意点
・定期的な検査:気になる症状がなくても、複数項目を同時に検査できる性病検査を受けるのがおすすめです。定期的に性病検査を受けることで、早期発見・治療が可能です。
・コンドームの正しい使用:性行為の際にはコンドームを正しく使用することで、すべての性病を完全に防ぐことはできませんが、感染リスクを大幅に減らすことができます。
・ワクチン接種:HPVやB型肝炎など、ワクチンで予防可能な性病もあります。
・パートナーと一緒に検査・治療を受ける:感染の再発や再感染を防ぐうえでとても大切です。
まとめ
性病にはさまざまな種類があり、女性は特に感染しやすく、症状が出にくいことが多いため、注意が必要です。正しい知識を持ち、予防策を講じることで、自分自身とパートナーの健康を守ることができます。不安を感じたら、早めに医療機関で検査を受けましょう。